2008年3月24日月曜日

インドネシア:感染者データに隠された真実-3

インドネシアにおける鳥インフルエンザの、初のヒトへの感染は、先のデータでもわかるように、2005年に発生している。以降、現在までに、WHOにより確認された129例の感染者の推移を、月別(左軸)、累計(右軸)で表したものが、下のグラフである。インドネシアの季節は、乾季と雨季に分かれ、おおむね5月~10月が乾季で、11~4月が雨季となる。月別グラフの推移を見る限り、季節的な変動は確認できない。また、2006年5月に17人の感染者発生と突出しているが、これは後述するが、北スマトラのカロで起きたクラスター(集団感染)発生により7人の感染者(内6人が死亡)が出たことの影響が大きい。

このような集団感染の発生はともかく、WHOのデータを見ていて、不安になるのは、死亡後相当時間が経過してから、感染の事実が判明するケースがあることである。

特に、2007年5月16日のWHOの記事は、驚くべきもので、2007年1月までさかのぼって、15件(内13件が死亡)の感染がこの日に発表されている。WHOは、インドネシアの検査機関が定期的な検査を実施していないことや、技術的に問題があることを挙げているが、再びこういう事が起こる可能性は、果たしてあるのであろうか。

現在公表されている感染者数を信じていいのか、また、急速に感染者が増えた場合、どのようなタイミングで発表されるのか、疑問に感じざるを得ない。

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