2008年5月27日火曜日

雑感 5/27

別に記事を書くのを、さぼっているわけではないのだが。

南東スラウェシで、6人の鳥インフルエンザ感染疑いのニュースが出て以来、ほとんど新しいニュースが入って来ない。

私の場合、通常はGoogleとBloglineを使って、直近24時間の鳥インフルエンザ関連のニュースを抽出して、定期的にウォッチしている。合わせて、キーワードを組み替えて、検索をかける。ニュースが出たら、その地域のニュース紙のサイトをウォッチしていく、というような単純な作業を一日に数回繰り返しているだけだが、本当にニュースが無いのである。

感染ニュースが無いのは、悪いことでは無いが、何か不自然さを感じることもある。例えば、直近のジャカルタ市内の16歳女性が死亡したケースでは、detik.comというオンラインニュース紙が、最初のニュースを発し、たて続きにニュースを出したが、ある時点でパッタリとフォローがされなくなっている。

こうした、ケースをよく見かけるにつれ、それがニュース性が無くなったからなのか、他に理由があるのかと疑問を感じざるを得ない。報道が操作されていないことを期待したい。

保健省も新しい情報を発していない。ジャカルタのケース、スメダンのケースは、ニュースでは感染陽性ということだし、ジャカルタ州保健局は陽性だとしている。しかし、保健省サイトには何も新しい情報はないし、よって、WHOの情報も更新されない。ここ数ヶ月は、月末にまとめて発表しているような感じを受けるので、この月末あと数日の間に何か発表されるかもしれない。驚くべき情報が無いことを祈るばかりである。

2008年5月24日土曜日

スラウェシ:依然としてクラスターの恐れ。6人が感染疑い

Enam Warga Kendari Diduga Terinfeksi Flu Burung (Duaberita 5/23)

南東スラウェシ州、Kendariでは、昨日までのところ、6人がSulawesi Tenggara公立病院の隔離病棟に入院している。この6人は、すべてKendari Barat郡、Sanua集落のLasolo通りの住民である。この地域で80羽のニワトリが突然死に、畜産局の実地調査によって、鳥インフルエンザ陽性が出ている。

これらの患者は、高熱、咳、腹痛の症状がある。6人の患者は、Asdar(8)、Andika Saputra(1.3)、Sarminda(10)、Nuraminah(4)、Dg.Sholeh(53)、Ain(8ヶ月)だと、病院長のM.Zamrud医師が語っている。6人の症状は安定しているが、ジャカルタに送られた血液サンプルの検査結果が来週に出るのを待っている状態だという。

2008年5月21日水曜日

速報:スラウェシ、5人の感染疑いのテレビニュース

Lima Warga Kendari Diduga Terinfeksi Flu Burung (Metro TV 5/21)
↑ビデオ映像があります。

*各メディアが一斉に報道を始めているが、情報はほぼ同じ。詳細はわからず。
血液サンプルは、ジャカルタに送られている。

2008年5月20日火曜日

スラウェシ:Kendariで5人が鳥インフルエンザ感染疑い

Lima Warga Kendari 'Suspect' Flu Burung (Media Indonesia 5/20)
5 Warga Kendari Suspect Flu Burung (Okzone 5/20)

南東スラウェシ州、Kendariの1つの集落で、5月20日、5人の住民が、鳥インフルエンザ感染疑いを持たれている。

5人は、Kendari Barat郡のSanua集落の住民であり、現在Sulawesi Tenggara公立病院の隔離病室で看護を受けている。患者は4人の子供と1人の成人である。

Sulawesi Tenggara公立病院の医師によると、5人の鳥インフルエンザ感染患者の確認に対して、名前の公表はできないとしている。しかし、イニシャルは、AR(8)、HA(4)、SH(10)、AA(1)、SE(43)の5人で、患者達は、高熱と咳、呼吸困難の症状があると話している。

患者達が発症する前に、彼らの自宅周辺で80羽のニワトリが突然死している

速報:中部ジャワ、Grobogan県で家禽の感染止まらず

SUDAH 1.53 EKOR UNGGAS MATI; AI Mengganas, ILRI Turun Tangan (Kedaulatan Rakyat 5/19)

中部ジャワ州のGrobogan県では、今年に入ってからの家禽類の、鳥インフルエンザ感染による死亡が30ヶ所で、1539羽になっている。2007年一年間で29ヶ所、1988羽であったので、今年はさらに拡大している。

*ニュースソースは異なるが、Grobogan県政府が5/9に発表しているこのニュースと比べて、急速に家禽類の間での感染拡大が広がっていることが伺われる。

西ジャワ:Sumedangの死亡患者、鳥インフルエンザ感染陽性

Darah Ny. Tn Positif Tertular Virus AI (Pikiran Rakyat 5/18)

Sumedang公立病院で、5月8日に死亡した、鳥インフルエンザ感染疑いの患者は、鳥インフルエンザウィルス感染陽性であることが、確認された。これは、スメダン県保健局長のH Hilaman Taufikが、5月18日、日曜日に明らかにした。

当該感染疑い患者は、Tn(54)で、スメダン県、Cisitu郡、Ranjang村Babakan Asem集落の住民で3人の子供を持つ主婦である。

Taufikによれば、保健省の検査機関Balitbangkesの血液検査の正式報告を、5月16日にFAXで受け取った。報告書によれば、H5感染陽性とだけ記されており、H5N1かどうかの明記はされていないということである。

H5としか記載されていないが、我々は最大限のリスクへの対処を行うとしている。

保健局長は、すでに畜産局と共同で、患者自宅周辺の調査と家禽類の処分をすることを指示している。

*最初のニュースはここです。

2008年5月18日日曜日

@62:感染源はどこに

南ジャカルタ市で、16歳の少女が感染して死亡した。その弟も約10日前に、同様の症状で死亡している。例えば日本でこのニュースを聞いた方は、どんな場所を想像するであるだろうか。

鳥インフルエンザが発生するのだから、近くに養鶏所があったりする、南国の、のどかな風景を想像するであろうか。否。今回の発生は都市部の住宅密集地で発生しているのである。

下の航空写真を見てみるとわかるが、発生地点の左下に見える、大きな建物は、日本人駐在者家族もよく利用する、大型の高級ショッピング・モールである。その下にゴルフ場が見え、写真には写っていないが、その下には、いくつかアパートが点在し、日本人を含む居住地域となっており、インターナショナル・スクールもこの近くにある。


報道によれば、この地域では、まだ多くの住民が家禽類を飼育している。ジャカルタ特別州政府は、感染源の特定と、付近の家禽類の処分に動いているが、今回のケースでは、患者と家禽類の直接的な接触は確認されていない。さらに次のようなニュースもある。

Virus Mematikan Itu Masih "Bergelayut" di Kota Jakarta (Kompas 5/16)
南ジャカルタ市、畜産局、動物衛生・社会衛生局長のEko Henri Wicaksonoによれば、患者自宅付近で行われた、家禽類の鳥インフルエンザ感染確認の簡易検査は、54サンプルすべてが陰性であった。「一羽の鳥も病気ではなく、すべて陰性であった。」

いったい、何から感染したのか。弟はやはり、鳥インフルエンザ感染であったのだろうか。
それは、同じ感染源によるものかのか、あるいは、限定的なヒトーヒト感染なのであろうか。

患者自宅付近は、引続き、検査が行われ、さらには付近住民の血液採取が実施され、今後10日間にわたって、厳戒体制が取られるという。

DKI Sisir Kawasan Radio Dalam (Tempo interaktif 5/17)
ジャカルタ特別州政府は、南ジャカルタ市、Gandaria Utara、Radio Dalam通り付近の徹底的な探索を行い、今後10日、鳥インフルエンザの拡大を想定した体制をとる。
ジャカルタ特別州保健局長のWibowo Sukijatは、「我々は、付近住民の血液検査を実施する。さらに、病気の住民のデータもすべて取る。さらに住民への啓蒙活動を実施する。」と語っている。

私は、専門家でもないので、ウィルスが変異しているのかどうかといった事は、よくわからない。しかし、今年3月に発生した西スマトラ州Agam県Sianok村の1歳の患者も、家禽との直接的な接触が確認されておらず、感染源が不明であったことが知られている。

なぜ、このように家禽類との直接接触がないのに感染が起きるのか。感染経路は何なのか。こういった情報が公表されていないのが、非常に不安である。

2008年5月17日土曜日

ジャカルタ:発生地域に関するニュース

RATUSAN UNGGAS DI RADIO DALAM DIMUSNAHKAN (BKKBN国家家族計画調整局 5/16)

ジャカルタ特別州政府は、鳥インフルエンザ感染により死亡した、Istiqomah(16)の自宅がある、南ジャカルタ市、クバヨラン・バル、Gandaria UtaraのRadio Dalam通り周辺地域で、家禽類の徹底的な探索と処分を実施している。

ジャカルタ特別州知事のFauzi Bowoは、畜産局に対し、Istiqomahの自宅Jalan DwijayaIV周辺の半径100mから500mの地域の家禽類を徹底的に探し、必要であれば即処分を行うよう指示している。

Istiqomahは、東ジャカルタ市、RawamangunにあるPersahabatan病院で、高熱、咳および呼吸困難の症状で、この水曜日に死亡している。手足の指先が青くなる症状も見られた。Persahabatan病院の鳥インフルエンザ医療チームのメンバーであるPriyanti医師によれば、Istiqomahは、鳥インフルエンザ感染陽性であった。

10日前にIstiqomahの弟のAhmad Rizkiも姉と同様の症状を示し、死亡している。しかし、当時、南ジャカルタ市のPondok LabuのPrikasih病院の医師は、Rizkiはチフス感染と診断していた。

Istiqomahの兄であるAlamsyah(26)は現在のところ、まだPersahabatan病院で看護を受けている。初期の検査の結果は、Alamsyahは鳥インフルエンザ感染陰性であった。しかし医師チームは、さらなる検査の結果を待っている。

Istiqomahの感染源に関しては、まだ特定されていない。南ジャカルタ市の市民保健支局長のTogi Asmanによれば、担当者が現在調査中であると話している。担当者はIstiqomahの自宅周辺の21人から血液を採取した。「検査結果はまだでていない。」

現在までのところ、Togiは、担当者は、鳥インフルエンザ感染源の特定が困難だとしている、その一つの原因は、感染者の自宅周辺で家禽類の突然死が確認されていないことにあるとしている。

*情報は錯綜しているようで、メディアにより、兄(26)、感染源に関する情報が異なっている。今回の感染地域は、多くの日本人駐在者・家族が住む、Pondok Indah地域から目と鼻の先の場所であり、本文にもある、Radio Dalam通りは、多くの日本人が、通勤や買い物等で、市内中心部との往復で日常的に通過する道路である(地図参照)。

ジャカルタ:28人が鳥インフルエンザ感染で死亡

28 Orang Meninggal Akibat Flu Burung (Berita Jakarta 5/16)

鳥インフルエンザ感染による死亡者数は、ジャカルタ特別州で最も多くなっている。2008年5月16日までに、ジャカルタ特別州保健局は33人の鳥インフルエンザ感染者、28人の死亡者を記録している。

最も新しい鳥インフルエンザの感染被害者は、Siti Istiqomah(16)で南ジャカルタ市のGandaria Utaraの住民で、5月14日水曜日に死亡した。Sitiは、東ジャカルタ市のPersahabatan病院で3日間の治療を受けた。

Gandaria Utaraのケースは、多くの住民がいまだに家禽類を飼育していることによるもので、さらに多くの放し飼いの家禽類が突然死んでいたのを、放置していたために起きたものだと見られている。

*本日現在、保健省、WHOのホームページで公表はされていないが、多くのメディアが今回の患者の死亡は感染陽性によるものだと断定している。

2008年5月16日金曜日

速報:パダン、2人の幼児の症状は快方に

Pasien Suspect Flu Burung Membaik (Padan Express 5/16)

西スマトラ州、Agam県の住民で、鳥インフルエンザ感染疑いで、パダンのM Djamil病院に入院している、Nurul(3.5)とRahmat(1.5)の症状は、高熱が下がり、呼吸困難の症状も良くなりつつある。しかし保健省検査機関のBalitbangの検査結果が出ていないため、引き続き隔離病棟での看護が続けられている。

速報:ジャカルタ、3人目の兄は陰性

Flu Burung, Warga Gandaria Meninggal (Liputan6 5/15)
↑ビデオ映像があります。

入院していた兄、Alamsyahは、15日鳥インフルインザ感染陰性が判明し、帰宅を認められたもよう。

2008年5月15日木曜日

ジャカルタ:2人の死亡患者に関する記事

Flu Burung Renggut Kakak Beradik (Kompas 5/15)

鳥インフルエンザウィルスが、再び首都ジャカルタの住民の命を奪った。今回は2人の姉弟が鳥からのウィルスで死亡した。

南ジャカルタ市、Gandaria Utara、Dwijaya IV通り、RT01/12の住民Istiqomah(16)が5月14日水曜日朝、鳥インフルエンザ感染陽性により死亡した。

その前の日曜日5月4日に、Istiqomahの弟、Ahmad Rizki(15)も姉と似た症状で死亡している。

患者の父親Mahfud(60)によれば、2人の子供の死は、鳥インフルエンザウィルスH5N1によるものに違いないと認めている。父親によれば、Istiqomahは、5月7日に発熱し、「保健所に運んだところ、チフスと診断された。」とのことである。

Madrasah Aiyah高校の1年生である彼女は、Gandaria病院に看護を受けるため、運ばれた。2日間の入院中、症状は悪化し続けた。「咳、呼吸困難、高熱が続き、体が、青色になっていた」と父親は話している。

その後、医師は、症状が鳥インフルエンザと似ていることから、Istiqomahを東ジャカルタ市のPersahabakanに移送させた。血液検査の結果によって、医師は5月13日に鳥インフルエンザ陽性を明らかにした。7人兄弟の6番目である彼女は、昨日5月14日5:30に息を引きとった。

Mahfudによれば、末っ子のRizkiは1週間前に、鳥インフルエンザとは診断されなかったものの、Istiqomahと同様の症状であったと語っている。「Rizkiも呼吸困難の症状があった。しかし咳はなかった。レントゲンの結果、肺に膨張が見られた、その時はチフスとの診断であった。しかし、手の指が同じように青色になっていた。姉と同様であった。」第240公立中学の学生であったRizkiは、死亡した。

すべての家族の血液採取が行われ、現在、Istiqomahの兄であるAlamsyah(26)が現在病院で看護を受けている。

母親のAisyah(54)によれば、2人の子供は家禽類との接触は無かったとのことである。しかし、自宅の周辺では、ニワトリや鳥が飼われていることが判明している。自宅裏の隣家でも、数羽のあひるが飼われている。

南ジャカルタ市の保健局長のTogi Asmanは、患者の自宅周辺はリスクが高いがmH5N1ウィルスの感染源を特定することは難しいことを認めている。Togi氏によれば、2008年になって、南ジャカルタでは2回のヒト感染が起きている。1月にクバヨラン・ラマの住民が死亡している。

速報:ジャカルタ、患者自宅付近の家禽類焼却の様子

RATUSAN UNGGAS DI GANDARIA UTARA DIMUSNAHKAN (Metro TV 5/15)
↑ビデオ映像があります

↓場所はこの辺りのはずです。 (参照:詳細地図

速報:ジャカルタ、さらに死亡患者の兄が入院(3人目)

Saudara Korban Suspect Flu Burung Ikut Dirawat di RS (detik.com 5/14)

鳥インフルエンザ感染疑いで死亡したIstiqomahの兄、Alamsyah(24)が、ジャカルタのPersahabatan病院に5月13日に、鳥インフルエンザ感染が疑われ入院。現在同病院の隔離病室で看護を受けているという。

家族によれば、38度の高熱で、咳の症状もあるという。

妹のIstiqomahは、Persahabatan病院で4日間看護を受けた後、5月14日の7:00に死亡している。

速報:ジャカルタ、感染疑い患者自宅付近の家禽類処分

Kakak-Adik Diduga Tewas Karena Flu Burung, Rumah Di-sweeping (detik.com 5/14)

ジャカルタ、クバヨラン・バルで2人の姉弟が鳥インフルエンザ感染疑いで死亡したことを受け、5月14日に自宅付近の家禽類の一掃が行われた。

患者の自宅がある、南ジャカルタ市のGandaria Utara、RT 12/1付近で、処分された家禽類は、ニワトリ141羽、鑑賞用小鳥27羽、がちょう7羽で、すぐ焼却処分がなされた。

速報:ジャカルタ、姉弟が相次いで死亡。鳥インフルエンザ感染疑い

Kakak-Adik Tewas Selang 10 Hari (detik.com 5/14)

ジャカルタ、Persahabatan病院で、Ahmad Rizki(15)が鳥インフルエンザ感染疑いで死亡。10日後に姉のIstiqomah(16)が死亡した。

2人は南ジャカルタ市、クバヨラン・バル、Gandaria Utara、Jalan Dwijaya4の住民。

姉のIstiqomahは、5月8日の夜、38度の熱でチフスの疑いでGandaria病院に入院したが、5月11日日曜日にPersahabatan病院に移送され、検査の結果、鳥インフルエンザ感染陽性が出た。

父親のMahfudによれば、10日前に弟のAhmad Rizkiが死亡しており、症状は姉と同様で、Gandaria病院に運ばれたが、通常の高熱と診断され、死亡した。Rizkiが鳥インフルエンザであったかどうかは、血液検査が行われていないため、判明していない。

患者の自宅の近くには、ニワトリの小屋があることがわかっている。

*患者の自宅は、多くの日本人駐在者・家族が居住している地域と非常に近い位置です。

西スマトラ:パダン、2人の幼児が感染疑いで入院

Dua Suspect Flu Burung Dirawat di Padang (Kompas 5/14)

西スマトラ州、パダンのM Jamil病院に入院している2人の幼児が、鳥インフルエンザ感染を疑われている。病院の医療チームは、2人の血液検査の結果を待っている。

看護を受けている、2人の幼児はNurul Lailatul(3)とRahmat A(1.5)で、2人は従兄弟関係にあり、Bukittinggi市のKangarian V Suku Sungai Puarの住民である。

M Jamil病院に移送される前、2人の患者はBukittinggi市のYarsi病院で看護を受けていたが、医師の判断により鳥インフルエンザ感染の恐れありとして、パダン市の同病院に移送された。

M Jamil病院医務局長のIrayantiによれば、2人の患者の家族の証言によれば、2人の幼児は家禽との直接的な接触は無いが、過去に同様のケースで感染者が出たことがあることから、病院側は、鳥インフルエンザ処置標準に沿い、看護にあたっている、とのことである。

2008年5月12日月曜日

雑感 5/12

感染疑い患者の発生が減っているからであろうか。最近インドネシアのメディアの関心は鳥インフルエンザからは、遠のいているようである。Googleで過去24時間の鳥インフルエンザ関連ニュースを、毎日モニターしているが、明らかに新しいニュースが減っている。先日の133人目の感染患者が発生した時もそう感じたが、1人の感染者、死亡者の発生では、もうニュースとしての価値がそれほどなくなってきた、ということなのかもしれない。

資料集の中にある、感染疑い患者データ更新してあります。地図の下にあるリンクから入ってください。

また、実施中の「インドネシアの日系企業・団体における鳥インフルエンザ対策」アンケートは、今週末で終了させたいと考えております。まだご回答いただいていない方は、是非、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

PT Bio Farma ワクチン製造を計画

Bio Farma Produksi Vaksin Flu Burung (Antara 5/11)

PT Bio Farmaは、2011年に年間2千万人分の鳥インフルエンザワクチンの製造を計画している。来年には、通常のインフルエンザワクチンの製造を始め、鳥インフルエンザワクチン製造に向けて準備をすると、創業者のIskandar氏が語っている。鳥インフルエンザ製造には、4000億ルピアの資金が必要となる。
同社は、H2N2インフルエンザワクチン及び家禽向けワクチンの製造を始めている。

2008年5月10日土曜日

速報:西ジャワ、Sumedangで感染疑い患者が死亡

Bertahan 15 Jam, Suspect AI Akhirnya Meninggal (Koran SINDO 5/9)

西ジャワ州、スメダン県Cisitu郡、Ranjeng村Babakan Asem集落の住民、Suhartini(54)は、スメダン公立病院に、鳥インフルエンザ感染疑い患者として、入院して15時間足らずで死亡した。

3人の子供の母親であるこの患者は、スメダン病院で5月8日の14:50頃、死亡した。患者は3日前に自宅で飼育しているニワトリが突然死に、そのニワトリとの接触があった。これらのニワトリは、簡易テストの結果H5N1陽性であった。

彼女の血液サンプルはジャカルタに運ばれ、1週間後に結果が判明する予定。

保健大臣:ビル・ゲイツ氏の鳥インフルエンザ支援を否定

Menteri Kesehatan Bantah Terima Bantuan Bill Gates untuk Flu Burung (Tempo interaktif 5/9)

シティ・ファディラ・スパリ保健大臣は、ビル・ゲイツ氏からの鳥インフルエンザに関する支援について否定している。保健大臣によれば、彼女はビル・ゲイツ氏とは、本日の会合で鳥インフルエンザについては議論していないと話している。

「我々は、マイクロソフトに関する話題を話しただけだ。」と5月9日金曜日の夜に自宅前で語った。

更に、ビル・ゲイツ氏の今回のインドネシア訪問で支援について、何が示されたのか、ワクチンについてなのか、資金についてなのか、何も知らないと答えている。彼女によれば、ワクチンと言っているのは、動物のワクチンなのか人間のワクチンなのか、あるいは、インドネシアで使われるのに有用なものなのかも、知らない。

シティ大臣は、もし人間の健康に関する支援についてであれば、私を通じて話がなくてはならないと話している。また、省間の調整がされるべきであると。

彼女は、農業省も支援については話を受けていないと話している。「調整はすでに良好だが、確認しなければならない。」

この水曜日にインドネシアを訪問したビル・ゲイツ氏は、鳥インフルエンザに関する支援を行うと発表している。

シティ保健大臣は、今回の支援について、彼女を通じて話がなされなかった事が、最近の米国との関係の悪化によるものかどうかについても知らない、と答えている。

大臣は、市民から多くの問い合わせを、メールや電話を通じて受け取っていることを認め、社会に対して、彼女は全く支援を受けていないことを明らかにする必要があると感じている。

*記事だけ読んでもいまひとつピンと来ないですが、今回は保健大臣は蚊帳の外ということだったのでしょうか。

2008年5月9日金曜日

速報:中部ジャワ、Grobogan県の家禽感染さらに拡大

407 Ternak Mati Terkena Flu Burung (Grobogan県政府 5/8)

現在までのところ、中部ジャワ州Grobogan県のいくつかの村での、鳥インフルエンザ感染による、家禽類の死亡は407羽が報告されている。社会は特に放し飼いにされている鳥類に注意しなければならない。県内のTanggungharjo郡、Gubug郡、Penawangan郡、Toroh郡から多くが報告されている。

*4/23に書いた記事での県政府発表は260羽なので、感染が継続して増加していることがわかる。ただ、4/23の記事と発生場所が異なっているのが疑問点。

2008年5月7日水曜日

速報:北スマトラで感染疑いの患者発生

Dinkes Sumut Turunkan Tim (Koran SINDO 5/6)

北スマトラ州、Mandailing Natal (Madina)県、Siabu郡Sihepeng村の住民Wh(8)が、5月3日よりPadangsidimpuan病院で、鳥インフルエンザ感染疑い患者として入院している。保健局は、担当チームを現地に送り、家禽類の焼却、住民への説明を実施している。

2008年5月5日月曜日

SARSが流行した時、そして今

新型インフルエンザ・ウォッチング日記
2003年にSARSが流行した時に、外務省の医務官として、北京にご勤務されていた先生が書かれているブログで、今回のアンケートに関して、とりあげていただいた。

国や大使館に対応を求めるのではなく、民間が自ら考え、動くべきという意見には、私企業に身をおく人間としても、同感である。これは、我々自身の安全の問題なのだから。

先日紹介した、独立行政法人 労働者健康福祉機構 海外勤務健康管理センターの海外進出企業の新型インフルエンザ対策ページの冒頭に、「海外在住日本人の特殊性」として、新型インフルエンザ対策をたてる際に注意しておかなければならないことが書かれている。

アンケートで回答いただいた、皆様のご意見を読んでいて、改めて認識が必要と思い、以下に転載させていただいた。

【海外在住日本人の特殊性】
過去の流行をみれば明らかなように、パンデミーがおこったら世界中が流行に巻き込まれます。日本にいても、これから逃れることはできません。しかし、海外に在住する日本人は、多少特殊な状況におかれます。

1. 新型インフルエンザの流行は、海外で始まる可能性が高い。滞在地域によっては、流行の初期から危険にさらされる可能性がある。

2. 流行拡大時には各地で人や物の移動制限が行われると予想される。いざとなったら撤退しようと思いつつ、結果的に逃げ遅れる事態もおこりえる。

3. 現地で感染・発病した場合、発展途上国では日本と同水準の医療が望めないかもしれない。先進国であっても、よい医療を受けるには制度や言葉の壁が立ちはだかる。

4. 地域によっては、流行時に社会的混乱(暴動や略奪など)が発生する可能性もある。状況によっては、こういった混乱に関連したトラブルに巻き込まれるおそれもある。

重要な点は、残留か撤退かを早期に決断することです。場合によっては、やや特殊な対応が必要かもしれません。

アンケート途中経過 コメントを追加

途中経過に、コメント覧に皆様からいただいた、貴重なご意見の数々を載せました。こちらは手動でやっておりますので、すぐには反映されませんが、ご了承ください。

まだ、数は少ないですが、特にコメント欄は、本音で答えていただいており、非常に参考になるのでは、と思います。

ご回答いただきました皆様、本当にありがとうございます。

アンケートにつきましては、引続き継続中ですので、ぜひ、さらに多くの方からのご回答をお待ちしています。

2008年5月4日日曜日

アンケート途中経過 速報版公開

インドネシアの日系企業・団体の鳥フル/新型インフル対策アンケート、途中経過速報

アンケートの途中経過を、見ることができるようにしました。アンケートはまだ実施中ですので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。上の資料集のトップページからも見ることができますので、ご覧ください。グラフは一日に数回アップデートされているようです。

コメント欄も皆様に貴重なご意見をいただいておりますので、これにつきましても、速報版でご覧になることができるよう準備中です。明日までにはなんとか公開できるのよう頑張ってみます。

速報:ボゴール、鳥インフルエンザ感染患者受入れ可能な病院なし

Semua RS Tolak Pasien Flu Burung (RADAR BOGOR 5/3)

ボゴール市保健局の感染症対策事務局(P2M)長のEddy Darmaによれば、ボゴール市の8つの病院のうち、鳥インフルエンザ感染患者の受け入れが可能な病院は一つもない。PMI病院は移送のための中継点に過ぎない。

鳥インフルエンザ感染患者は、すぐにジャカルタの、Sulianti Saroso感染症病院、Persahabatan病院、バンドゥンのHasan Sadikin病院に移送されなければならない。

これは、ボゴールの8つの私立病院は鳥インフルエンザ患者用標準に合った病室を持っていないためである。さらには、鳥インフルエンザ患者用救急車も保健局が所有しているが、限られている。

速報:東ジャワ、Madiun県家禽類でエンデミック

15 Kecamatan di Madiun Endemik Flu Burung (Suarasurabaya 5/3)

東ジャワ州、マディウン県の15郡で家禽類の間で、鳥インフルエンザ感染のエンデミックが発生している。15郡のうちの2つは、Geger郡とGelopo郡である。

今月、マディウン県の畜産局は、家禽類で鳥インフルエンザ感染が発生しているすべての町で実地調査を実施する予定である。

2008年5月3日土曜日

企業の新型インフルエンザ対策に関する他のアンケート例

今回、このブログサイトを通じて、インドネシアの日系企業・団体の鳥インフルエンザ/新型インフルエンザ対策に関するアンケートを実施中であるが、日本企業の鳥インフルエンザ/新型インフルエンザ対策に関するアンケートは、過去に次のようなものが実施されていて結果を見ることができる。

国内主要企業における新型インフルエンザ対策の取り組みに関するアンケート(HTML)
小樽市保健所の外岡先生が、国内の主要企業を対象に2007年8月に実施。
PDF版は、ここから直接ダウンロードできる。

海外進出企業の新型インフルエンザ対策に関する調査

独立行政法人 労働者健康福祉機構 海外勤務健康管理センターが2006年9月に実施。2007年秋にも実施しているが、ホームページ上ではまだ公表されていないようである。

海外勤務健康管理センターでは、海外進出企業の新型インフルエンザ対策ページで、「海外派遣企業での新型インフルエンザ対策ガイドライン」を公開していて、海外企業の新型インフルエンザ対策担当者必携のマニュアルである。

新型インフルエンザ対策緊急アンケート
海外進出企業の危機管理をサポートする安全サポート協会が2008年1月に実施。回答内容、分析をPDF形式で見ることができる。

2008年5月1日木曜日

アンケートご協力のお願い

インドネシアの日系企業・団体における鳥インフルエンザ対策(1)

インドネシアにご勤務されている、駐在員または、そのご家族の方。あるいは、インドネシアに拠点を持つ企業・団体の方に、アンケートへのご協力をお願いします。あなたの勤務先のインドネシアにおける鳥インフルエンザ/新型インフルエンザ対策について教えてください。

上のリンクあるいは、このブログの最上部の地図の下にあるリンクから、アンケートのページに行くことができます。

無記名でできる、非常に簡単なアンケートですので、ぜひ数分間お時間をください。

このアンケートは、同じ日本人社会の中でも、なかなか、各社の対策についての正確な情報を知ることが難しいことを、私自身も疑問を感じていたところ、読者の方からもコメントをいただいたことから、実施することにしました。

アンケートの結果はこのブログの中で、必ず皆様に逐次フィードバックさせていただきますので、是非ともご協力いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

@62:資料集の公開

上の地図の下にあるリンクから、当ブログの関連資料集を見ることができます。

現在のところ、資料は次の3つです。

1.感染疑い報道データ
2008年3月末以降の報道による、感染疑いのデータをまとめたものです。

2.インドネシア 鳥インフルエンザ感染者地図(2008年)
WHOデータから、2008年のインドネシアにおける感染者の発生場所等を地図にしています。スライドショーで、発生順にデータを見ることができます。
但し、発生場所が西ジャワに集中しているため、発生場所の詳細の場所はそれほど正しくはなっていません。

3.インドネシア 鳥インフルエンザ最新地図
このブログの上部にある地図を拡大したものです。こちらの発生場所は、ある程度正しくなるよう心がけてますので、場所を確認したい時にご利用ください。

今後、WHOの感染者データのとりまとめ等行っていく予定にしております。
更新は、おそらく週末になってしまいますが、ご了承ください。

@62:麻痺の習慣


日本では、ゴールデンウィークだというのに、秋田県の十和田湖で、鳥インフルエンザH5N1ウィルスに感染した白鳥が3羽見つかって、大騒ぎである。

日本の厚生労働省は、「人への感染可能性は極めて低い」と冷静な対応を呼びかけているらしいが、そんな事でいいのだろうか?この病気で、世界では、既に382人が感染し、241人も死亡しているのである。安心など呼びかけて何の意味があるのだろうか。

一方、世界で最も多くの死者を出し続けている、インドネシアでは、毎日、中部ジャワや西ジャワの各地で、何十羽、何百羽の単位で、ニワトリや、アヒルや、ウズラが、このH5N1鳥インフルエンザウィルスに冒されて、次々に死んでいるが、地方紙が紙面を埋めるための、小さなニュースを掲載するだけである。

さらにもまして、昨日インドネシアの保健省が、133人目の感染者で108人目となる、中部ジャワ州Wonogiri県での3歳の男児の死亡を発表しているが、本日、Web上でのニュースを探してみても、わずかに数誌が取り上げているだけである。

インドネシアのカラ副大統領は、「鳥インフルエンザは世界中の注目の的で、インドネシアはしょっちゅう悪口を叩かれているが、国内では交通事故で毎年3万人も死んでいて、一方の鳥インフルエンザは100人にも満たない」などと、訳のわからない比較をしている。(4/20 Tempointeraktif)

鳥インフルエンザ対策の責任者である、保健大臣は、「普通は毎月10件近くあるが、今年の3月、4月は、2件の感染報告だけで、鳥インフルエンザ感染は減少している」などと、全く根拠の無い説明をし、ウィルスの提供問題を巡って、WHOや米国と確執を深めている。(4/13 Metro TV 上の写真)

インドネシアのマスコミも、感染疑いが発生すると、次々にニュースにするが、結果がどうだったかのフォローもない。今月このブログで取り上げただけでも、23人の感染疑いの報道があったが、結果がフォローされたのは、10人だけである。あとは、ひょっとしたら感染陽性で、いつの日か突然感染者として発表されるかもしれないし、あるいは、陰性で報道もされないということだ。

上に挙げてきたような、過敏な反応、無責任な発言、いい加減な報道が続けられることを、私はとても恐れている。そのうちに、一部の人を除いて、情報を信用しなくなり、”麻痺の習慣”によって、多くの人の危機意識が薄らいでしまうだろう。

現にインドネシアの国内を見ればよくわかる。多くの人は正しい知識を持たず、危機感も無い。在住している邦人も、決して全部とは言わないが、同じように”麻痺の習慣”に冒されてしまっている人がなんと多いことか。日本もまた同じである。